「おもてなし」と「サービス」の違いとは? 日米の違い

「おもてなし」と「サービス」の違いとは?

2020年の東京オリンピック誘致競争のプレゼンテーションで、大きな反響を呼んだのは、「おもてなし」という言葉でした。
「おもてなし」の精神で、外国からお客様を接待するのが日本流ということでしょう。

お客様を接待するのはサービス業でありますが、「おもてなし」と「サービス」は異なるものなのでしょうか。

諸説によると、「サービス」は提供する側とされる側で上下関係が生じるといいます。
もちろんサービスを受ける側が上にきますが、サービスを受ければ受けたで、
サービスチャージやチップを払わなければいけません。
一方、「おもてなし」というのは、家族に対するように、相手に見返りを求めず、
心を込めてお客様に応対することだそうです。
とはいってもサービス業であるので、当然無料ということではなく、
あくまで大事なのは「おもてなし」の心をもつということです。

アメリカ人はホームパーティが好きなので、お宅に呼ばれることもあるかもしれません。
日本人の感覚からすると、簡単な料理が並ぶだけであっさりとしていることが多く、
ポットラック・パーティーといって、パーティの参加者が料理を一品作って持ち寄ることもあります。

アメリカ人がおもてなしをしてくれないというわけではなく、彼らのおもてなし方が私たちとは違っているのです。
パーティーは人と人とが出会う場だから、料理は二の次で、とにかくおしゃべりを楽しみ、人見知りな日本人にも
話しかけてくれます。一方、私たち日本人はお客様となると、心を尽くして至れり尽くせりのもてなしをしなければ
ならないと思い、一生懸命料理を作ってもてなそうとします。
ホームパーティーの仕方ひとつとっても文化や習俗習慣、そして国民性も反映されます。

・参考文献

榊原明子『あんパンとアメリカ~アメリカで暮らせば日本がわかる~』銀の鈴社(2015年)

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