アメリカ同時多発テロはアメリカにどのような影響を与えたのか
アメリカ同時多発テロはアメリカにどのような影響を与えたのか
2001年の9月11日、民間航空機がハイジャックされ、ニューヨークの
ワールド・トレード・センター,ワシントン郊外にある国防省のビル,
ペンタゴンに墜落しました。
ワールド・トレード・センターのビルが破壊された場面はあまりにも衝撃的で、
事件後に、アメリカ国人はイスラム過激派を憎み、恐れるようになりました。
当時、ブッシュ政権は「テロへの戦い」を布告し、世界中で反アメリカを名乗る
組織や政府に対して措置を講じ始めました。
テロリスト集団を援助したとしてアフガニスタンに侵攻し、タリバン政権を壊滅させました。
反米グループを支援していたとして、サダム・フセイン政権を打倒するため、
イラクにも侵攻しました。
このテロリストによる攻撃の後、アメリカは国中の空港や国の重要機関などで
セキュリティの尺度を高めざるをえませんでした。
入国審査やビザの審査の厳格化もその一例です。
犯人の何人かが観光ビザで入国し、その後学生ビザへの滞在資格を変更して
アメリカに潜入していたからです。
アメリカ政府は「国土安全保障省」を新設し、移民局を法務省の管轄下から国土安全保障の管轄下へと移動しました。
移民局が一括して担っていた「申請業務」「捜査・拘留」「入国・国境警備」も国土安全保障省の
それぞれ独立した部署の下で行われるようになり、移民局の呼び名も変更されました。
(旧)INS(Immigration and Naturalization Service)
(新)USCIS (U.S. Citizenship and Immigration Service)
テロリストへの対策として、非移民ビザの申請用紙が追加され、面接審査が
義務付けられるようになり、2003年からは留学生はSEVIS(*注)によって
その動向を管理されることになりました。
*注 SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)
すべての留学生には、SEVIS-IDの番号がつけられ、留学生を受け入れる学校には
オンライン上で留学生に関するデータをSEVISに入力して、学生を管理しています。
■ 入国時の管理システム
2004年1月~ US-VISITという管理システム導入
(United Stated Visitor and Immigration Status Indicator Technology)
2009年1月~ ビザ免除プログラム参加国の、ノービザ渡航者に対する
渡米前の電子渡航認証システムによるオンライン事前登録をして
認証を受けることが必要になりました。
参考文献
山久瀬洋二『日英対訳 アメリカQ&A』IBCパブリッシング、2017年
山本美知子『アメリカで遊学・永住権ガイド 学ぶ・働く・結婚する』亜紀書房 (2009年)