ホワイトハウスで働く大統領の権限とは?ー議会との関係
アメリカでは、議会と大統領という2つの政治的組織が
相互に独立して政治権力が構成されています。
-アメリカの市民は、連邦議会選挙によって立法権を担う
議員を選び、大統領選挙によって行政権を担う組織を選ぶのです。
では、ホワイトハウスで働く大統領の権限とは一体どのようなものでしょうか。
大統領はホワイトハウスで、政治的意思決定を支援する
各担当者(組織)と共に働いています。
例えば、組織には
・内政担当, 外交担当などの各補佐官
・行政管理予算局 (OMB)
・国家安全保障会議(NSC)
・経済諮問委員会 (CEA)
・米国通商代表部 (USTR) などがあります。
*アメリカの場合
各省庁の長官で構成する内閣の閣僚は助言者としての地位に留まります。
■ 大統領の内政面, 外交面での権限とは?- 任期4年 2期まで
(内政面)
・連邦議会の制定した法律の範囲内で行政を実施する権限
・行政組織の人事権(各省庁の長官や約3000の政治的任命職の指名)
(外交面)
・外国と条約,協定を締結するなど、アメリカを代表して外交交渉を行う権限
・軍の最高司令官であり、実質的に軍の派遣について実務的最高責任者
アメリカは全国レベルを代表する大統領, 各州レベルを代表する上院,
各選挙区レベルを代表する下院という3層制であり、各々が異なる利害関係を持つ
支持層を背景に持っています。
連邦議会は、各省庁の政策に関する法律の制定と修正, 予算の編成などによって
行政の監督権があります。
■ 連邦議会 - 上院:100名(任期6年) 下院:435名(任期2年)
(上院)
・各州の意見の代表(下院と対等の権限)
・大統領が締結する条約について助言と承認を行う権限
・連邦裁判所裁判官や、高級公務員約700のポストの採用について同意人事権
(下院)
・州内の各選挙区の意見を代表(上院と対等の権限)
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・堀本武功『現代アメリカ入門』明石書店(2004年)